家族信託を使えば「遺留分」は気にしなくていいの? | 福島の弁護士による家族信託相談
Q 家族信託を使えば「遺留分」は気にしなくていいの?
A 受益権の承継は相続の効果によって起こるわけではなく、信託の規定に従って、受益権を取得したに過ぎないという考え方から「遺留分」は気にしなくていいという考え方もあります。
しかし、①確定した判例がありませんし、
②財産を特定の人に承継させる機能を有する点で、遺言等と信託は同等とみなされるため、信託によって財産を引き継ぐ場合であっても遺留分減殺請求の対象となるとみる見解が有力とされています。また、③仮に「遺留分は発生しない」と言う考えで家族信託を利用し、その後の裁判で「遺留分は発生する」と言う判断がなされた場合のリスク、④争いが起こってしまうと円満な財産承継が実現できないこと
などを考えると、遺留分に留意して、家族信託を利用されるのがよいと思われます。
当事務所も遺留分は発生すると言う立場で家族信託のサポートを行っております。