活用事例 財産を障がいのある子に定期的に給付できる家族信託 | 福島の弁護士による家族信託相談
状況
Bさんには、長男と長女の二人の子供がいます。Bさんは、現金と収益物件(賃貸アパート)を持っていますが、高齢になってきたため、将来を心配し、遺言を書こうと検討しています。
Bさんの長男は精神的な障がいがあり(ただし、障がい等級3級以上には該当しない)、財産管理を長男自身がすることには不安があります。そのため、Bさんは自分が亡くなった後、長男が安心して生活をしていくだけの現金と、収益物件からの家賃収入を受け取ってほしいと思っています。
Bさんは、ご自身の死後、長男の面倒は、信頼できる長女にみてほしいと思っており、長女もそれを了承しています。
家族信託の設計
Bさんは遺言を検討していますが、遺言では、Bさんが認知症になってから亡くなるまでの財産管理はできませんし、長男に財産を長期的に分割で引き渡していくのに適していません。
そこで、Bさんの財産を長女が管理するために長女を受託者とし、Bさんが生きている間はBさんを受益者に、Bさんが亡くなった後は長男を受益者とし、財産を長男に分割で引き渡す内容の家族信託を検討します。
財産管理できる権利を長女に託しておくことで、万一、Bさんが生きている間に判断能力が下がり、長男の生活を守ることができない状況になった場合には、かわりに長女が長男の生活費を受け渡す、Bさん及び長男が亡くなったら信託は終了する等の決まりを設けておきます。
家族信託を行うメリット
・自分が亡くなった後、姉である長女が毎月一定額の財産を長男に引き渡してくれるため、長男の生活が保障される
・受託者として長女に財産管理の権利を与えることで、認知症などによりBさんの財産管理能力が低下した場合も、長女が財産管理を行うことができる